時計修理のプロも驚く品質。人気のトゥールビヨン腕時計の魅力や特長を聞いてみた

huaweiwearabless 12/11/2022 618

こちらは、メディアジーンコマースチームからの記事です。

ライフハッカー[日本版]からの転載

姉妹サイトmachi-yaで募集開始直後から支持を集め、執筆時点で2400万円を超えるオーダーを記録する時計ブランド「WALDHOFF(ヴァルドホフ)」。

最高峰の技術が息づくトゥールビヨンを搭載した高級腕時計を手が届く価格帯で実現し人気となっている模様。

今回は時計修理の大手でもあり、「WALDHOFF」のアフターサポートも担当する共栄産業株式会社さんにプロから見た製品の魅力を伺ってきました。

共栄産業株式会社

(右)時計卸販売事業部 執行役員営業部長 細野 観史(ほその かんじ)

(左)時計修理事業部 部長 藤田 大(ふじた ひろし)

技術の粋を集めた超絶機構「トゥールビヨン」

── トゥールビヨンとは、改めてどのようなものでしょうか?

細野:端的に説明すると「重力を分散させる装置」ですね。

機械式時計の精度を司る部品をまるごとキャリッジ(かご)に入れ、それを回すことで重力を分散させて精度を安定させる仕組みです。

藤田:トゥールビヨンが開発されたのは工作機械がない時代でした。膨大なパーツを手作りし、組み立ても腕ききの職人が体の調子がいい時にしかできないくらい難しいものだったと聞いています。

機械式時計がそもそも職人の技術力がつまったものですが、その中でもトゥールビヨンは作るのも組み立てるのも難しい別格の機構と言えます。

── トゥールビヨンが人々を魅了する秘密はどこに?

藤田:技術者としてはやはりメカニズムに魅力がありますね。トゥールビヨンはキャリッジが秒針に見立てられることもあるのですが、その中がどう動いているのかが見えるのがすごい。

職業病かもしれませんが、背面スケルトンの時計は無意識に裏から見てしまいます(笑)。現存する時計でもまだ数が多くないのも、憧れを抱くポイントのひとつかもしれません。

細野:営業の立場から見ると「造形美」ですね。ケースとトゥールビヨンのバランスにグッときます。また、回転を支えるブリッジのないフライングトゥールビヨンを見ると「なるほど」と感動しますね。

── トゥールビヨンをとりまく環境は、ここ10年ほどで大きく変わったと聞きました。

細野:トップブランドのトゥールビヨンは1000万円以上があたりまえという雰囲気だったのですが、タグ・ホイヤーが300万円を切るモデルを発表してから流れが変わった気がします。

その前後からトゥールビヨンを量産できる体制が整ったのかもしれませんね。

藤田:価格の変化は、工作機械の精度や設備が進化している点が大きく影響しています。とはいえ量産で価格は下がっても、精度は昔よりも向上しているはずです。

細野:トゥールビヨンを搭載するような昔の時計は王族や貴族のために作られていたので、精度より長く使えることが優先されてきました。

真鍮などの素材自体は昔のモノの方が素晴らしいですが、精度は現在のほうが圧倒的にいいですね。

スイス方式のメンテナンスで、1本1本に安心を

── 機構が複雑になればなるほど、メンテナンスも難しくなるのでしょうか?

藤田:その通りです。複雑な機構は取り扱うことができる修理技術者も限られます。トゥールビヨンを扱うことができるのは、技術者の中でも一握りなんですよね。

細野:メーカーからのテクニカルガイドがあれば対応しやすいのですが、当社には全国から膨大な数の修理依頼が舞い込みますので初見から修理・メンテナンスを行うこともよくあります。

その場合は“作り手の意図”を読み解きながら作業を進めていくセンスが重要になるんです。

── アフターサポートに経験豊富な共栄産業さんが控えているのは安心ですね。

細野:時計修理の会社としては、おそらく日本最大級だと思います。本社・店舗含め80名ほどの技術者が在籍し、大手メーカーを退職後に当社で活躍している人材もたくさんいます。

藤田:時計の修理機器は高額なものがすごく多いのですが、長い期間をかけて揃えてきた安心感もあると思います。

また、外装の洗浄・研磨を除くメンテナンスは分業化しないスイス方式で、熟練の技術者が1本1本責任をもって作業しています。

時計修理のプロも驚く品質。人気のトゥールビヨン腕時計の魅力や特長を聞いてみた

── 機械式時計を長持ちさせるコツはありますか?

藤田:定期的なメンテナンスが重要です。

あとは、自動車をイメージするとわかりやすいと思うのですが、あまり酷使しすぎずかといって長期間止まったままにもしない。適度に使うのがいいと思います。

細野:機械式時計は動き出す瞬間に最も負荷がかかるので、止まったままはよくないです。

できるだけ毎日見てあげて、小さな変化に気づいてあげることも大切だと思います。調子が悪いまま使い続けるとパーツ破損につながるため、早めにメンテナンスに出すのがオススメです。

衝撃をうけた「WALDHOFF」の完成度

── 数々の時計を見てきたプロからみて「WALDHOFF」はどう感じましたか?

細野:まず、「THE VANGUARD V8」はラグジュアリースポーツという雰囲気ですね。

ベゼルの形状やエッジのバランスがとてもいいです。斜めから見た立体感もいい。ステンレススチールベルトも似合っていますし、全体の作り込みも丁寧です。

藤田:パッと見た印象はスポーツ系でシャープなイメージ。ドイツの工業製品を想起させるデザインです。あとは、ここまでスケスケにできるのはすごいですね。

フライングトゥールビヨンを搭載しているのに思った以上に薄い印象を受けました。これまで数多くの時計に出会ってきましたが、本当の意味で普段使いできそうなトゥールビヨンを見たのは初めてかもしれません。

細野:デザイン面ではアシンメトリーのなかでも全体の統一感が感じられます。デザイナーの「こうしたい!」という想いが感じられますね。

トゥールビヨン搭載の時計は、機構にフォーカスされやすいデザインが多いですが、「THE VANGUARD V8」は、まず全体のデザインに目が行き、その後にトゥールビヨン搭載の驚きがやってきます。

これは「THE IMPERIAL」にも共通する部分ですね。

── 続いて「THE IMPERIAL」はいかがですか?

細野:「THE IMPERIAL」を見て衝撃を受けたのが、サファイアガラスのケースでした。他メーカーならコストカット対象になりそうな部分も妥協せず、光までを計算に入れた作り込みにも驚きました。

ルーペで確認してもバリなどもなく、すごく丁寧な仕事がされています。これまでに見たことのないデザインにトゥールビヨンが搭載されている驚きの一本です。

藤田:サファイアガラスは金属よりも加工が大変なので、ケースに使うことは昔はありえなかったんです。

私たちでも見る機会は少なく、一握りのトップブランドだけに採用されるイメージだったので、ついにこの価格帯で出せるようになったのかと驚きました。

細野:ケースのガラスとステンレスのバランスもいいですよね。

仕事柄、触れた時計の価格帯を見誤ることはほとんどないのですが、「THE IMPERIAL」に関しては予定価格の3倍以上だと想像し、そのギャップにも驚きました。

裏側のスタイルも尾錠付きのバックルも好ましいですね。クラシカルでありラグジュアリーな雰囲気であるから、尾錠付きのバックルが似合うんですね。

カーフベルトのクイックリリース機構も便利。まずは黒や茶系のベルトを楽しんで、そのあとはステッチだけバーガンディ(ワインレッド)にしようかなと想像が掻き立てられます。

藤田:トゥールビヨンはまだまだ持っている人が少ないですし、本当に手が出なかったものが手に届く価格帯になったのは素晴らしいことだと思います。

この機構には人間の叡智がつまっています。技術者から見ても「よくこんな機構を思いついたな…」と感じる技術です。

ぜひ、体験してもらいたいですね!

人間の叡智がつまった一本を身につける喜び

── 最後に、デジタル全盛の時代だからこその機械式時計の魅力もお聞かせください?

藤田:時計は時間を見るための機械ですが、かつては高価で持つことが難しい憧れのアイテムでした。現在でも「所有する喜び」を感じられるものだと思います。

貴金属をあまり身につけない男性にとってはジュエリーのような価値がありますよね。

機械式の時計は電気や電子的なものを使わずに正確に時間を測ることができる、完成された機器。叡智がつまった一本を身につける喜びが、機械式時計の魅力だと思います。

細野:高級時計は伝統工芸品に近い気もします。他人とかぶることを嫌う、男心をくすぐるアイテムですよね。現在はスマートウォッチが世界的に人気ですが、機械式時計の素晴らしさが再び注目される時が来ると信じています。

また、時計は社会人としての成長したタイミングなどで選ぶモデルが変わることも。購入した当時の気持ちや思い出まで付与されるそんな楽しみ方もありますよね。


プロフェッショナルによるアフターサポートも整った機械式時計「WALDHOFF(ヴァルドホフ)」は、両モデルともにクラウドファンディングサイトmachi-yaにてキャンペーンを実施中。

お得な先行オーダー受付も終了が迫ってきていたので、気になった方は早めにチェックしてみてください。

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今回取材にご協力をいただいた共栄産業株式会社は、巣鴨を拠点とする修理のプロ。

充実の設備と技術で時計修理をサポートしてくれるそうなので、お気に入りの一本を修理やオーバーホールしたい時には足を運んでみてください。

Source: machi-ya