iPhone 12 Pro
iPhone 12シリーズは傷に強いって本当?
iPhone 12シリーズ(iPhone 12、iPhone 12 Mini、iPhone 12 Pro、iPhone 12 Pro Max)が発売されてから、2ヵ月ほどが経った。
iPhone 12シリーズのディスプレーガラスには「Ceramic Shield」という技術が使われている。これは、ナノセラミッククリスタルと呼ばれるセラミックをガラスに組み込み、クリスタルの種類と結晶化の程度をコントロールすることで、高い透明度を維持しながら、セラミックの強度を最大限まで高める(アップル公式サイトより抜粋)というものだ。
擦り傷、引っかき傷、日々の摩耗への耐性が向上しており、さらに、ディスプレーガラスとボディのエッジを同じ高さにすることで、落下耐性も高めているというのが、iPhone 12シリーズの特徴。
ディスプレー面には「Ceramic Shield」(セラミックシールド)」と呼ばれる技術が使われている
それなら保護ガラスを貼らないで使ってみようと思ったのが、ちょうど、ひと月ほど前のこと。いつも旧機種を売却して、新機種の購入代金に充てているから、なるべくなら傷はつかない方がいい。過去、保護ガラスやフィルムなど、何も貼らないでiPhoneを使ったことは何度かあるが、毎回、1週間も使えば、割と目立つ傷がついていた。結局その傷が気になるので、上からガラスを貼って目立たなくするということも、何度もやった。
保護ガラスが割れたら張り替えることも、長年iPhoneを使う中でルーティーン化していて、必要経費と捉えていたのだが、安価なものでも1000円程度はするし、考えてみれば、これまでに保護ガラスにいくら費やしたかわからない。1機種を使っているあいだに、平均2枚程度は買ったから、過去に使ったiPhoneが8台×2=16枚、1枚あたり1000円から3000円で、平均をとると2000円。この計算だと、3万2000円くらいは使ったことになるかもしれない。
今回は傷への耐性が高いと公式でうたわれていることもあり、また強い興味も手伝い、あえて、何も貼らないで使ってみることにしたのだ。
2つの注意点は徹底して厳守!
保護ガラス、保護フィルムなしでiPhone 12 Proを使う上で、気をつけたことは主に2つだ。ひとつはiPhoneを他のものと一緒にポケットに入れないこと。経験上、何かと一緒にポケットに入れると、やはり傷がつきやすい。iPhoneをポケットに入れるときは、iPhoneしか入れないことを徹底した。
もうひとつは、ディスプレーを拭くときに、一度ホコリを払ってから拭くということだ。iPhoneに傷を付ける原因は鍵などの鋭利なものと思われがちで、それも誤りではないのだが、「ホコリ」や「チリ」にも実は注意が必要である。
というのも、物質と物質がこすれ合ったときに「硬度が低い側が削れる」というのが、傷がつく基本的な仕組みだからだ。ホコリやチリは洋服の繊維など、物を傷つける心配のないものがほとんどだが、ときに、砕けた砂(鉱物)の小さな破片や、風に乗って飛んできた微細な金属の粉(鉄粉など)が混ざっていることもある。
こうした硬度の高いホコリやチリがディスプレーに付着したままゴシゴシと拭き掃除をするのは、硬い破片をディスプレーにこすりつけていることになる。
図説を作ってみた。ホコリやチリの硬度がディスプレー面より高ければ、こすりつけたときに傷がついてしまう
硬度がiPhoneのディスプレーより高いホコリやチリが付着していれば、そのまま傷になってしまう。だから、ディスプレーを拭きたくなったら、すぐに落とせるホコリやチリはまず落としてから、マイクロファイバーなどで拭くようにした。
また、背面や側面の傷つきやすさは従来モデルと同等と思われるので、薄型のプラスチック製カバーは装着して使った。それ以外には特別なことはしていない。
1ヵ月時点では、微細な傷さえ無かった
見たところ、傷は一切なし
結論から言えば、ひと月ほど何も貼らないで使ったものの、iPhone 12 Proには目視できる傷はひとつもついていなかった。目立つ傷はなく、微細な線傷もない。ごく小さな点のような傷さえない。角度を変えて、光の当て具合を変えながらチェックしてみたが、ディスプレー面に、傷はまったく見当たらなかった。
細部まで確認しても、傷はまったくついていなかった
2つの注意点を徹底したこともあるかもしれないが、この使い方をしていても、以前のiPhoneなら気付かないうちに傷がついていたように思う。Ceramic Shieldの耐久性は、ある程度信頼できるのではないだろうか。今後もこの状態で使い、ときどき傷がついていないか確かめてみたいと思う。
また、私の場合はこのような結果になったが、「何も貼らなくても傷がつかない」ということではないので、絶対に傷をつけたくないという人は、保護ガラスかフィルムを貼ることをおすすめしたい。