米コーニングは7月23日(現地時間)、モバイルデバイス向け強化カバーガラスの新製品を発表した。2018年に発表された現行の「Gorilla Glass 6」より、耐擦傷性を2倍強化し、固く粗い表面への耐落下性も最大2mまで向上した。ガラスの厚さはGorilla Glass 6と同様、標準で0.4~1.2mmまでをラインアップする。
サムスン電子がGorilla Glass Victusを最初に採用するメーカーになるという。同社は8月5日に製品発表会を実施する予定で、ここで新モデルが発表されるとみられる。
Gorilla Glassは、これまでに45社以上の大手ブランドが80億台以上のデバイスに採用しているコーニングの主力製品。2013年の「Gorilla Glass 3」以降の製品は、スクラッチによる耐擦傷性を維持しつつ、耐衝撃性を高める方向で開発が進められてきていたが、Gorilla Glass Victusでは耐擦傷性もさらに向上した。
今回発表されたGorilla Glass Victusでは、耐落下性と耐擦傷性を大幅に向上させ、“Gorilla Glass史上最高のタフさ”を実現したとしている。コーニングが実施した調査によれば、画面サイズやカメラの品質などの特長に対し、耐落下性および耐擦傷性をより重視するユーザーが多くなっているということがわかり、これらをさらに向上させた製品の開発が進められた。
アスファルト環境を想定した固く粗い表面への落下試験では、競合のアルミノシリケートガラスでは80cmに満たない高さから落とすだけでも破損してしまうが、Gorilla Glass Victusでは2mからの落下でも破損しなかった。
ヌープスクラッチによる耐久試験では、競合のアルミノシリケートガラスでは4ニュートン(N)の負荷で傷が広がるのに対し、Gorilla Glass Victusでは8Nの負荷でも傷が広がらない結果が得られた。
実際の落下をシミュレートするスラッパーテストヌープスクラッチテストの結果なお、2007年に初代Gorilla Glassが登場してから、2018年発表のGorilla Glass 6までナンバリング製品となっていたが、今回ナンバリングを廃止し、製品名をGorilla Glass Victusとした具体的な理由については明かされなかった。Victusには、ラテン語で「生きる」「生き残る」といった意味がある。