アップルの自動運転EVアップルカー(仮)やMRゴーグルの噂が相次いだ2月の第1週。どちらも企業向けの高額商品となる気配がありますが、もともとMacはDTP用途が強かったこともあり、再びプロ向け市場が開拓されていくのかもしれません。
アップルカー(仮)、初代から運転手なしで動く?から8K解像度のMRヘッドセット開発中?まで、最新アップルの噂をまとめてお届けします。
iPhone 13(仮)は全機種とも超広角カメラが大幅に改善のウワサ
今やカメラはスマートフォンにおいて貴重な付加価値となっていますが、2021年のフラッグシップiPhone 13(仮)シリーズは4モデルとも超広角カメラが前年モデルより著しくアップデート。より具体的にはレンズ口径が広くなり、F値(レンズの焦点距離を有効口径で割った値)が小さくなるとの英投資銀行バークレイズのアナリスト予測です
レンズ口径が大きくなるということは、レンズを通る光量が多くなり、低照度性能が向上する(暗所撮影に強くなる)ことを意味します。2021年モデルの超広角カメラがそうした方向で強化されるとの見通しは、アップルのインサイダー情報に詳しいアナリストMing-Chi Kuo氏も昨年(2020年)末に述べていました。
しかしKuo氏の予想は「超広角カメラの改善はProモデルに限られる」とのこと。今回のバークレイズは4モデルとも全てと予測しており、対象となるモデルの範囲が異なります。
その後Kuo氏はサプライチェーン競争が激化したおかげでiPhone向けレンズの生産能力が向上し、「大幅に改善されて低照度性能を備えた超広角カメラ」が搭載される可能性が高まったとの研究ノートを発表しています。iPhone 12 ProもLiDARスキャナを搭載したことでカメラ性能が向上し、品不足を招くほどの売上げ好調と噂されていますが、今年は超広角カメラ人気が旋風を巻き起こすのかもしれません。
アップルカー(仮)、ヒュンダイのE-GMP採用で「非常に高額」になるとのアナリスト予測
アップルカー(仮)は初代から運転手なしで動く? まずは企業向けに投入か
ファブレス企業であるアップルは自動運転EVの生産についても自動車メーカーとの提携は必須であり、ヒュンダイとの交渉の噂も意外ではありませんでした。しかし両社がどう役割を分担するかが不明だったなか、アップルカーがヒュンダイのEVプラットフォーム「E-GMP」を採用するとのアナリスト予測が報じられています。
自動車を開発・製造する上で高いハードルとなるのが、一般的には車体そのものの開発や必要なライセンスの調達、および部品サプライチェーン網の構築です。おなじみMing-Chi Kuo氏いわく、そうした準備にかかる時間を既存の自動車メーカーとの深いコラボレーションで大幅に短くして、市場に投入するまでの時間を早められるとのこと。そしてアップルは自動運転ハードウェアとソフトウェア、半導体やバッテリー関連技術、革新的なユーザー体験づくりに集中できるというわけです。
もっか注目の的になっているヒュンダイも、アップルにとっては幅広い開発力や生産力といったリソースを持つパートナー候補のひとつ。今回の試みがうまく行けばGMやステランティスなど他社とも提携する可能性があると述べられています。
そうしたコラボで作られるEVは「非常にハイエンドモデル」であり「大幅に高額」になるとのこと。提携相手の自動車メーカーにうま味がある標準的なEV(販売台数が稼ぎやすい)よりも販売先が絞られることが示唆されていました。
Kuo氏の予測に続き、米CNBCは最初のアップルカーは「ドライバーなしで動くよう設計され」つまり完全自動運転になるとの見通しを報道。その主な用途はラストマイル、すなわち最終拠点からエンドユーザーへの物流サービスに重きが置かれるとの情報筋の話を伝えています。
アップルは約4年前から自動運転車両を公道でテストしており、かなりのデータは蓄積されているはず。しかし自動車はスマートフォンやPCよりも人命に直結しているため、「まず人間を乗せない物流で、さらに広い地域でデータを収集」という戦略かもしれません。
ひとしきりアップルカーの話題が盛り上がった1週間でしたが、まさにリークに動揺したアップルの意向でヒュンダイとの交渉が一時停止されたとのBloomberg報道が飛び込んできました。アップルは日産や三菱自動車とも交渉中との噂もあり、全世界の自動車メーカーが今後の動向を注視していそうです。
アップル、新たな健康ハードウェア製品を開発中?求人情報に手がかり
結婚記念日に贈られたApple Watchがまた人命を救ったとのニュースもありましたが、アップルがそれとは別の健康関連ハードウェア製品を開発してるらしき手がかりが発見されています。
同社の健康ハードウェアグループが打った求人広告には「アップルブランドの健康ハードウェア製品の設計と開発をリードする」人材を募集との文言があり。Apple Watchは健康機能“も”備えたウェアラブル機器であり、完全新規の製品に取り組んでいる可能性がうかがわれます。
さらに「生産前の準備と大量生産の開始の品質と適時性」という工場で生産管理も職掌とされていることから、すでに研究開発の域を脱して製品版に近いプロトタイプが準備されている可能性もあり。ちなみにiPhoneの場合は仕様の決定から量産までは1年半~2年はかかり、試作品はEVT(技術検証テスト)>DVT(設計検証テスト)>PVT(生産検証テスト)を経るのを通例としています。
次期Apple Watch Series 7(仮)が血糖値測定可能になるとの噂もありましたが、以前はウォッチ本体ではなく外付けのスマートバンドの形で供給されるとの観測もありました。
ティム・クックCEOが「人類に対する最大の貢献は健康」と述べてから3年が経過しました。また「病気の早期発見が医療費を大幅削減」と発言したこともあり、今後はApple Watch以外にも人に寄りそって体調を見守る新製品が投入されるのかもしれません。
アップルVRゴーグル、LiDARスキャナ搭載で2022年初め発売とのアナリスト予測
アップルのMRヘッドセット、デュアル8K画面とアイトラッキング搭載?価格は30万円超えか
アップルはAR/VR製品を2タイプ、ヘッドセット型と軽量なメガネ型を並行して開発中と見られていますが、そのうちヘッドセット型の噂が最近とみに活発化しています。
それらを総合すれば、主たる目的はVRであり、外部カメラも備えて現実の情報と映像を重ね合わせるMR(Mixed Reality/混合現実)の機能も持たされている、といったところです。
まずJPモルガン証券(中国時報を経由)アナリストは、6つのレンズとLiDARスキャナが搭載されて「現在市販されているVRヘッドセットよりも高額」になると予測。どれほどの価格になるかは言及していませんが、BOM(部品表)だけで500ドル超えとのことです。
より踏み込んでいるのが、有料ニュースメディアThe Informaitonの記事。こちらは十数台の外部カメラと2台の8Kディスプレイ、高度なアイトラッキング技術が搭載との予想を伝えています。リアリティを感じさせるには高解像度の画面が必要ですが、全てを描けばコンピューティング負荷が大きくなるため、ユーザーが注視している部分だけ完全にレンダリングすると説明されています。
しかし既に市販されている8K製品はのきなみ高価であり、まして2枚も搭載するアップルMRヘッドセットの想定価格は約3000ドル前後、つまり30万円超え。それだけに消費者向けよりも企業向けを狙っており、リモートワークでの生産性向上や旅行コストの削減(バーチャル出張?)などビジネス用途が想定されているようです。
目撃証言を元にした製品イメージはAirPods Maxを思わせ、屋外よりも室内での使用が主になると推測されます。いちユーザーにとっての本命は軽量なメガネ型のApple Glass(仮)となりそうですが、そちらはヘッドセット型よりも1年後発になるとの予想がもっぱら。度付きレンズ対応との噂もあり、心待ちにしている人たちも少なからずいそうです。
iPhone 13(仮)は「iPhone 12s」になる可能性が85%?有名リーカーが予測
有名リーカー(注目の未発表製品にまつわる有力情報を発信する人)Jon Prosser氏が、数多く流れているiPhone 13シリーズ関連の噂にどれだけ信ぴょう性があるかを確率(%)により格付け。高得点を付けられている「製品名は、実はiPhone 12s」説は、台湾サプライチェーン情報に詳しいDigiTimesも報じていたものです。
ざっと要約すれば「iPhone 13 Pro(仮)モデル2つで120Hz画面と超広角カメラの大幅改善はほぼ確実」「4モデルともノッチ(画面上部の切り欠き)は小型化。ただし高さが低くなる」「非ProモデルにLiDARスキャナ搭載はあり得そうにない(Proモデルの販促材料だから)」といったぐあいです。これらが本当だとすればiPhone 12シリーズからのマイナーチェンジということで、「iPhone 12s」は相応しいのかもしれません。