Apple Watch Series 4以降には転倒検出機能が搭載されていますが、これにより高齢者の方が救われた事例はいくつか報告されてきました。が、新たに20代の男性が本機能のおかげで一命を取り留めたとのニュースが伝えられています。
米ロングアイランドの地元メディアABC7NYによると、先月Peloton(オンラインフィットネス企業)の従業員である25歳のブランドン・シュナイダー(Brandon Schneider)氏は、何日も前から激しい腹痛に悩まされて病院に行くことに。
そのときシュナイダー氏は院内のトイレに入り、数分を過ごした後に意識を失いました。そこでの最後の記憶が「手を洗って、何かが起こるのではないかと思ったこと」であり、その後に地面に落ちたことも、頭を打ったことも、その後の出来事も何も覚えていないと語っています。
しかし幸いなことにシュナイダー氏は、乗馬やハイキング用にApple Watchを常に装着していたため、瞬時に転倒が検出され、近くにいる父親に警告を発せられました。Apple Watchは転倒を検出してから、その後1分間なんの動作も認められない場合は緊急通報サービスや緊急連絡先に送信されます。が、失神していたシュナイダー氏は当然ながら何の反応もできず「45秒が経過しました(本人の証言ママ)」と述べています。
そしてCTスキャンの結果、シュナイダー氏には頭蓋骨の骨折に加えて、命に関わる血腫が見つかったため、緊急の脳手術を受けたとのことです。「もし私が、この出来事が起こった時にER(救急救命室)にいなかったら、違う話になっていたかもしれません」と振り返られています。
Apple Watchの転倒検出機能は標準ではオフになっており、Apple Watchの設定時やヘルスケアAppで年齢を設定し、なおかつ55歳以上の場合のみ自動的に有効になります。それ以外の場合は、iPhoneのWatchアプリから手動で有効にしてやる必要があります。シュナイダー氏は25歳の若さですが、乗馬やハイキングなど落下のリスクがある趣味を持つこともあり、自ら有効にしていたとも推測されます。
数々の健康関連センサーを搭載したApple Watchは、心房細動など命に関わる兆候も検出でき、最悪の事態を未然に防いだことが珍しくありません。
特に転倒検出機能は特に年齢設定を自動オンの条件にすることで「高齢者への配慮」が強く窺われます。が、誰しも体調不良や足を滑らせるなど、不意に転んで命の危機に晒される危険とは無縁ではなく、手動で有効にしておく方がいいのかもしれません。