オランダの独禁当局であるACM(消費者・市場庁)は、アップルが現地のApp Storeにて「出会い系アプリにつき自社のアプリ内決済システム以外の決済方法を許可すべし」という命令を守っていないとして、同社に3週連続で500万ユーロ(約6億4000万円)の罰金を科したと報じられています。
米Reutersによると、ACMは7日(現地時間)、アップルから命令を遵守しているか否かを評価するのに十分な情報をまだ受け取っていないと述べたとのことです。これに先立ちACMは1月下旬、アップルが規制の要件を守らない限りは毎週500万ユーロの罰金を、最大5000万ユーロ(約64億円)になるまで科し続けるとのプレスリリースを発表していましたが、その3回目が実施されたしだいです。
そのプレスリリースでは、アップルが出会い系アプリ開発者が代替決済システムを利用する上で「いくつかの障壁を設けている」と指摘されていました。たとえばユーザーをアプリ外にある決済システムに誘導するか、それともアプリ内に代替決済システムを実装するか、どちらかを選べと迫っているように見えることです。ACMは、アプリ開発者は両方とも選べるようにしなければならない、と述べていました。
さらにアップルはACMの命令に従うとして、追加の詳細情報を公開しています。そこではオランダで代替決済システムを利用する出会い系アプリに対して27%もの手数料を取ると述べられており、開発者から怒りの声が上がっていました。
なぜ27%かといえば、開発者のMarco Arment氏は「決済代行業者に3%支払い、アップルが27%の手数を取れば、結局は(これまでのApp Store手数料と同じ)30%支払うことになる」として、代替決済を使うメリットをなくすためだと示唆しています。
あなたのプライバシー設定では、このコンテンツをご利用できません。こちらで設定を変更してくださいアップルは1月の声明でACMの命令に従うとしつつも、App Storeでの代替決済システムは顧客にとってプライバシーやセキュリティのリスクがあると主張しています。また代替決済システムを使ってデジタル商品やサービスを購入する場合は、返金請求やサブスクリプション管理などの問題につき、顧客をサポートできないとも付け加えていました。
つまりアップルが提示している現状のプランでは、出会い系アプリでの代替決済システムの採用は「顧客にも開発者にも全くメリットがない」ということになります。アップルにとっては最高でも約64億円の罰金はさほどの負担にはならないため、いっそうオランダ規制当局からの圧力が強まるまでは、事実上の現状維持を図るのかもしれません。
Source:Reuters
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