100万円携帯としてセレブや富裕層に人気のVERTU。一般人には無縁だよなー、そもそも普通の携帯電話にそんなお金払えないよなー、と思われるのが普通の反応だと思います。
でも実はそのVERTUにもスマートフォンのラインナップがあるんです。VERTUでスマホなら実用性もばっちり。もしかしてほしくなったりしちゃうかもしれませんよ!
ちなみにVERTUってなに? って方は下記の記事をご一読ください。
100万円の超高級携帯『VERTU』購入記(前編)~買ったワケ~
例によって高級品そのもののパッケージ |
VERTUのスマートフォンは現在2つのモデルが存在します。ひとつはこの秋に発売になったばかりのVERTU Constellation。Symbian Anna OSを採用したフルタッチスマートフォンで、さすがに100万円以上のお値段がします。
まぁフルタッチだしカメラもいいので悪くない製品なのですが、おいそれとは買えない金額でしょう。
もう1モデルはQWERTYキーボードを備えたVERTU Constellation Quest。こちらのOSはSymbian S60で、QWERTYキーボード付きの縦型スタイル。お値段のほうはというと、香港では一番下のモデルが50万円から。
50万円なんてとんでもないかもしれませんが、ほかのシリーズが100万円以上なことを考えるとなんとなく安く思えてしまうような気もします(笑)。さすがに筆者は買うことはできないのですが、なんと友人が香港に遊びに来たついでに買っちゃったので見せてもらいました。
なんかスマートフォンには見えないブツが入ってる |
さすがにウン十万円もする製品。しかも貴金属多用ということでパッケージは高級品にふさわしいしっかりしたものになっています。開封するとなかにはさらに革製の箱が入っているのは以前筆者が入手したVERTU Constellation Ayxtaと同様です。
その革箱を開けると端末が入っているわけですが、そのデザインがなんだかフツーのスマートフォンとは思えないような雰囲気を漂わせているじゃーありませんか!
ディス・イズ・ザ・Quest |
さっそく取り出してみましょう。電池抜きでもずしりとした重み。本体外周の金属部分が冷やりと心地よいのはほかのスマートフォンでは味わえない感覚です。
ガラス部分は非タッチパネルながら、サファイアグラスの透明感が美しい。そしてキーボード部分もキラキラしています。これはもうIT製品というよりも高級文具、いや工芸品のようです。
キーボードはダイヤモンドカット |
そのキーボードが光って見えるのは形状が特殊だから。ひとつひとつのキーは真んなかを頂点とした四角錘というか山のような形をしていますが、これはダイヤモンドのようなカッティングがされているんですね。
もちろん素材はプラスチックではありません。なので光が当たるとキラリと輝き、なおかつそれぞれのキーも押しやすくなっているのです。見た目だけじゃなくちゃんと使いやすさも考えられているのです。
手に触れる背面は本革仕上げ |
そして背面の電池カバーはもちろん革仕上げ。つねに肌に触れる部分ですが、革の触り心地はとてもよいものです。また上部にはカメラ、フラッシュ、電池蓋を開けるツマミがメカニックなデザインで並べられています。
内部にサインが刻印されているのはなぜ? |
さて電池カバーを開けると内部にステッカーはなく、表記される情報はすべて金属の筐体に刻印。そしてこのQuestならではの特徴としてサインも刻印されているのです。
実はQuestは1台1台、担当する職人がいて最初から最後の組み上げまで責任が持たされているのです。そして完成後にその職人のサインの刻印が入れられて出荷されるというわけ。
品質管理がしっかりされているのですよ。
独特のホーム画面 |
さて起動後のホーム画面は左に時計、右にはウィジェットっぽい通知バーがいくつか並んだ独特のものになっています。
Questは実はNokiaのスマートフォン、E72がベースになっているのですが、ディスプレーは2.46インチ、VGAとより高精細になっています。そのため狭い画面ながらも多くの情報を表示できるのです。
アイコンのデザインもいい感じ |
ディスプレーはフルタッチではありませんが、アイコンは最近のスマートフォンでも見かけるような、指先でタッチしたくなるような形状をしています。
デフォルトでそれなりのアプリが入っているので日常的な用途なら十分カバーできそう。
やはり美しいのがサファイアグラス |
さてディスプレーはサファイアグラスなのですが、平滑感や光が当たったときの反射、そして液晶面までのクリア感など、いずれも“本物のガラス”を思わせてくれます。
もちろんスクラッチフリーで、保護フィルムは不要です。最近はゴリラガラスをディスプレーに採用した製品が増えていますが、サファイアグラスはもちろんもっと傷に強いのです。
ちなみにディスプレーの上、左右にもショートカットキーが備わっています。
日本語表示はオーケー! ウェブもいけるね |
内蔵ブラウザーはベースがE72ということで一世代前なのがちょっと残念。解像度がVGAなので縮小表示や画面のスクロールが必要ですが、一般的なウェブページの閲覧なら結構いけます。
3G/HSDPA対応、そしてWiFiも内蔵なので高速通信も問題ありません。
では表示はいいとして、日本語の入力はできるのでしょうか? こちらは管理工学研究所が販売しているSymbian向け日本語FEP『+J for S60』を入れることで利用可能になるようです。
本記事は友人がQuestを購入直後に撮影したため日本語入力画面をお見せできないのですが、現在は+J for S60を入れて毎日日本語を使っているとのこと。
QuestとAyxtaを並べてみました |
スマートフォンのQuestと携帯電話なAyxtaを並べてみると、同じメーカーの製品なんだなぁというデザインの共通性が感じられますね。ちなみにこの2台を持ってバリバリ活用しているなんてお金持ちの人が世界にはいるのかもしれません。
メカニカルな美しさはほかにはありません |
Questを側面から見てみると、ネジがあったりディスプレー上の“V”のモールドや各キーが盛り上がって見えるなど、メカニカルな製品にも見えてきます。
VERTUというと“高いだけのブランド携帯”と思われがちですが、実際は“本物の素材を使った、こだわりのあるプロダクト”なんですよ。
高級スマートフォンが続々やってくるかも? |
そういえばポルシェデザインのBlackBerry『Porsche Design P'9981 Smartphone from BlackBerry』という製品が先日発表されました。20万円程度の値段がつくようですが、こちらも質感やデザインをとことんまで追求した製品になっています。
なので値段相応の価値がある、と判断して買う人も意外と出てくるのではないでしょうか?
携帯電話やスマートフォンは、IT製品としてもちろん“機能”が重要です。でもなんでもハイスペックがいい、ってことでもないでしょう。
それにいまのスマートフォンならば、日常利用には困らないだけの機能は備えています。そうならば機能以外の部分で差別化された製品がいろいろ出てきてもいいと思うんですよねー。
ま、とはいえQuestにせよP'9981にせよ、先立つものがなければ買えないんですけど……。
山根康宏さんのオフィシャルサイト香港携帯情報局