順当に進化した「Pixel 5」は過去最高のPixelだが、必ずしも“お買い得”ではない?:製品レヴュー

huaweiwearabless 11/08/2022 703

スマートフォンの通知音が鳴り、慌てて手に取る。待たされていたのはわずか5分間だったが、通話の保留中に流れるひどい音楽を聞く必要がなかったことは今回が初めてだった。グーグルの新しいスマートフォン「Pixel 5」のおかげである。

Pixel 5には、フリーダイヤルなどに電話をかけて保留になっている間、通話の再開まで代わりに“監視”してくれる独自機能がある。これは「Google アシスタント」の人工知能(AI)技術によって実現したものだ。人間が電話に出ると大きな音が鳴るので、手に持った電話を気にしながらケニーGのスムーズジャズを何時間も聞く必要はなくなる。

こうしたちょっとした便利な機能が、グーグルのスマートフォンの評価できるポイントだ。例えば「レコーダー」アプリでは、自動生成された書き起こしから文章をハイライトして削除すると、録音内容を抜粋できるようになっている[編註:自動文字おこし機能は現時点では英語のみの対応]。そしてもちろん、周囲で再生されている曲を識別してくれる「Now Playing」機能や、ロボコール(自動音声による電話)を識別して自動的に拒否する「Call Screen」[編註:現時点では米国のみ]といった機能も評価できる。

だが、Pixel 5にはそこまで劇的な新機能はない。グーグルが「Pixel 3」のときに「Google Duplex」(Google アシスタントがヘアサロンやレストランに電話して予約を代行してくれるサーヴィス)の利用を可能にしたときと比べると、Pixel 5の新機能は目を見張るようなものではない。

順当に進化した「Pixel 5」は過去最高のPixelだが、必ずしも“お買い得”ではない?:製品レヴュー

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昨年の「Pixel 4」は手の動きを検出するレーダーセンサーを搭載し、音楽の再生などをジェスチャー操作でコントロールできるようにしていたが、こうした奇抜な機能もない。アップルの「Face ID」のような顔認証機能はPixel 5では廃止され、代わりにおなじみの指紋センサーを背面に搭載している。

今年のグーグルが“安定路線”をとっていたとしても、過去最高のPixelを生み出した。これまでのPixelには、必ず大きな妥協がひとつあった。Pixel 4とPixel 3はバッテリーのもちが十分ではなく、「Pixel 2」はディスプレイの品質がよくなかった。そして初代「Pixel」には耐水性能がなかった。こうした欠点や弱点は、すべてPixel 5で解消されたのである。

バッテリーのもちという“欠点”を解消

わたしのパートナーはPixel 4を使っていて、それを彼女はとても気に入っている。しかし、ただ普通に使い続けるためだけに、彼女が1日に2〜3回も充電する様子を目にするのは、なかなかつらいものがある。

これまでのPixelにグーグルが搭載したバッテリーの容量は犯罪ではないかと思えるほど少ないが、この欠点がPixel 5でついに解消された。Pixel 5のバッテリー容量は4,080mAhで、平均的な使用なら1日半は余裕でもつ。とはいえ、オンラインゲーム「原神」をあまり長くプレイしすぎると、丸1日ほどになってしまう。

Pixel 5の機能で重要なのは、新たに搭載された「緊急バッテリー セーバー」モードだ。このモードはWi-Fi接続をオフにしてアプリを一時停止し、バッテリーが最大48時間もつようjになる(ユーザーは任意のアプリの一時停止を解除できる)。つまりPixel 5では、数時間ごとに充電する必要はなくなるというわけだ。