》色使いやディテールの作りにコレクターらしい遊び心が光る
ニューヨークに拠点を置く“Massena LAB(マセナ・ラボ)”は、時計業界でも著名な時計コレクターである、ウィリアム・マセナによって2018年に設立された日本未上陸の時計ブランド。有名時計メーカーとコラボレーションを企画するなど、ユニークなアプローチで魅力的な時計を製作している。
創業者のウィリアム・マセナは、幼少期から時計の収集を始めており、ニューヨークの大学を卒業後、銀行で働き始める。2006年から時計業界に本格的に関わりをもち始め、ジュネーブにある時計専門のオークション会社、アンティコルム社のCOOや時計フォーラムTimeZone.comのマネージングディレクターとしての活動を広げていった。
ウオッチコレクター、コンサルタント、時計小売業者、オークショニアなど、多彩な顔をもつウィリアム・マセナ。彼は、個人的に時計を収集しているときも、セラーとしてハイエンドのヴィンテージウオッチを取り扱うときも、“綺羅びやかでもシンプルな時計でも時計は道具であるが、自分のライフスタイルに合った良いものでなければならない”という信念をもって活動を続けているようだ。
マセナ・ラボではオリジナルコレクションに加えて、彼自身のライフスタイルとリンクするブランドとコラボレートを展開。ミング、ウニマティック、ハブリング2などの独立ウォッチメーカーとのコラボレーションコレクションを限定発売している。今回は、そんなマセナ・ラボより、コラボレーションモデルと、オリジナルレーベルの最新コレクションを紹介する。
Massena LAB (マセナ・ラボ)ミング X マセナ・ラボ
マレーシアの時計コレクターで写真家のミング・シンのもと、世界中の時計愛好家6人により2017年に設立された独立系ウォッチブランド、ミングとのコラボレートモデル。ブラックとハニーの2色展開でモデルを製作している。
文字盤デザインは巣蜜のような独創的な幾何学模様と、ミッドセンチュリーにリリースされたヴィンテージロレックスの“ハニカム”ダイヤルの両方からインスピレーションを受けている。38mmの小振りなケースには、セリタのCal.SW330-2をベースに、シュワルツ・エチエンヌが製造した自動巻きのCal.330.M1を搭載。スイスで製造され各色50本の限定生産となっている。残念ながら2021年9月の時点で、マセナ・ラボのウェブサイトでは“sold out”となっている。
Massena LAB (マセナ・ラボ)ユニレーサー
ユニレーサーは、3年の歳月をかけ製作された、マセナ・ラボの名前を冠した最初の時計。 デザインはミッドセンチュリー期のカルト的名作、ユニバーサル・ジュネーブ・ビッグアイ・クロノグラフを現代風にアレンジしたもので、ダイヤルカラーは定番のブラックとホワイトに加え、1970年代のレトロウォッチを彷彿とさせる3色、計5色を用意している。
39mmのケースには手巻きのムーヴメント、Cal.SW510 M Elaboreを搭載。アクリル製のドーム形風防にはアンチスクラッチ加工が施されている。スイス製、各色35本の限定生産でユニレーサーのブラックとホワイトの各色200本の限定生産で販売価格は3495米ドル(約38万4千円)。
文字盤カラーの組み合わせは細部まで考え抜かれており、クルーズでは文字盤のスカイブルー、アワーマーカーにライトブルーのカラーリング、サブダイヤルの赤のクロスヘアによって爽快でスタイリッシュなデザインとなっている。
サファリは、文字盤中央にかけて黄緑色に変化するフュメダイヤルを用いており、カウンターのカーキー色との相性も抜群だ。
ラリーは、1970年代のオートレーシング・クロノグラフを想起させる文字盤カラーで、シルバーの文字盤にオレンジとブルーの鮮やかなアクセントを加え、強いヴィンテージ感を表現している。
》Massena LAB (マセナ・ラボ)公式サイトhttps://www.massenalab.com
文◎William Hunnicutt時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。
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