セイコーウオッチ2021年の注目作、実機写真で総おさらい!

huaweiwearabless 18/06/2022 668

先日、2021年に発売されたセイコーウオッチの時計製品を実機で見る機会があった。すべて発表済み、発売済みのものではあるが、この状況下で実機を取材できるチャンスはまだまだ貴重だ。加えて限定モデルは予約で完売してしまい、店頭で目にすることさえできないことも多い。

前回のグランドセイコー編に続いて、今回はセイコーウオッチ編。撮影できた写真を掲載するとともに、2021年のセイコーウオッチ注目作をあらためて振り返るという、年末らしさ満載の企画をお届けする。掲載した価格はメーカー希望小売価格ですべて税込み。

1964年、ある国際的なスポーツ競技大会があった。その公式計時のために開発された高精度ストップウオッチの設計思想やデザインを色濃く受け継いだのが、SEIKO PROSPEX SPEEDTIMER メカニカルクロノグラフ限定モデル「SBEC007」だ。

当時のストップウオッチを彷彿とさせる判読性の高いダイヤルや操作性に優れたボタン、りゅうず形状が特徴的。ムーブメントには、新開発の自動巻き(手巻き付き)クロノグラフムーブメント「キャリバー 8R46」を搭載した。パワーリザーブは約45時間だ。

ケースとブレスレットはSS(ステンレススチール)製で、10気圧防水。世界限定1,000本がリリースされ、シースルーのケースバックにはシリアルナンバーを刻む。この限定モデルのみ、交換用のカーフストラップ(黒)が付属する。価格は352,000円。

なお、チャコールグレーダイヤルのレギュラーモデル「SBEC009」(価格330,000円)も存在するが、こちらは国産初のクロノグラフがモチーフ。SBEC007とおもな仕様や機能を同じくしながら、コンセプトは異なる。

そのほかスペックなどは、別記事『セイコー プロスペックスに新コレクション「SPEEDTIMER」、機械式とクオーツ式』をご覧いただきたい。

洗練された日本独自の美意識をベースに、研ぎ澄まされた感性をプラスした「SEIKO PRESAGE Sharp Edged Series」。ケースとブレスレットはエッジの効いた平面を中心に構成。シャープなシルエットに加え、慎重に研磨された鏡面とヘアライン仕上げのコントラストにより、その立体感が際立つ。ダイヤルは麻の葉紋様と和の伝統色の組み合わせ。麻の葉紋様は成長や出世を象徴するとされ、ビジネスウオッチとしてうってつけのモチーフだ。

このシリーズに新色「葡萄色(えびいろ)」の「SARX089」と「檳榔子黒(びんろうじぐろ)」の「SARX091」がラインナップされた。葡萄色の「葡萄」は「えび」と読まれた山葡萄の古名で、文字通り葡萄(ぶどう)の熟した実のように暗い赤紫色。

一方の「檳榔子黒」は、青みを含んだ気品のある黒色。藍の下染めとして檳榔樹の実「檳榔子」を使ったことからこう呼ばれる。紋付きの最高級の色であり、なるほど出世のイメージに結びつく。

ケース素材は、表面硬化技術「ダイヤシールド」を施したSS(ステンレススチール)。重さは155g。39.3mmのケース幅は日本人男性の腕になじみ、装着感も軽やかだ。ムーブメントには自動巻き(手巻き付き)の「キャリバー 6R35」を採用。パワーリザーブは約70時間。風防は内面無反射コーティングのサファイアガラスで10気圧防水。価格は両モデルとも110,000円。

セイコーウオッチ2021年の注目作、実機写真で総おさらい!

クルーズ客船から着想を得た優美なラインのケースや、煌びやかな船内を思わせる多角形のベゼル。そして24時間針のGMT機能。使いやすい40mm径のケースサイズと軽量なチタン素材で、装着感も快適な「SEIKO PRESAGE Ocean Traveler Series」。プレザージュの新デザインラインだ。写真は、静寂な海と満天の星を思わせるナイトブルーカラーダイヤルの「SARF013」。

ムーブメントは自動巻き(手巻き付き)「キャリバー 6R64」で、パワーリザーブは約45時間。風防は内面無反射コーティングのデュアルカーブサファイアガラス。防水性能は10気圧。価格は198,000円。

日本の伝統的技法と美意識を込めた「SEIKO PRESAGE Craftsmanship Series」。その琺瑯(ほうろう)ダイヤルのコレクションにレディスモデルが追加された。

「SRRX004」は、夜空に浮かぶ優美な「月」をモチーフにした限定モデル。夜空を思わせる紺色の琺瑯ダイヤルには三日月の形に立体感が付けられ、その内側のみインデックスがゴールドのローマンになっている(月の外側はホワイトのバーインデックス)。この部分は、9回以上の印刷を重ねて立体的に仕上げ、あたかも夜空に月が浮かび上がっているかのような浮遊感を演出したという。

ケースは径(横)が34.3mm、素材はSS(金色めっき)。ムーブメントは自動巻き(手巻き付き)「キャリバー 6R31」で、パワーリザーブは約70時間。風防は内面無反射コーティングのデュアルカーブサファイアガラス。防水性能は5気圧。ストラップはダイヤルと同色のクロコダイル革。価格は176,000円 (税込)。世界限定1,000本で、うち300本が日本国内分。

ソーラーGPS衛星電波ウオッチの先駆け「SEIKO ASTRON」。その「GLOBALLINE SPORTS」カテゴリーの新製品がブラックダイヤル×シルバーケース・バンドの「SBXD007」と、オールブラックの「SBXD009」だ。

どちらもケース素材に純チタン(SBXD007はダイヤシールド、SBXD009はスーパーブラックダイヤシールド処理)、ベゼル素材にはセラミックスを使用。ケースは横幅39mmと、アストロン=大きいというこれまでのイメージを完全に覆しただけでなく、三針のフェイスに流行のオクタゴン(八角形)ベゼルを採用することで、やや飽和状態にも見えたデュアルタイムメインのラインナップに新風を送り込んだ。

一見ただのカラバリにも思える両モデルだが、よく見ると文字板が大きく異なる。SBXD007はサテン仕上げ、SBX009はサンドブラスト仕上げ。どちらも文字板への光の反射を抑えることで、インデックスや針位置の視認性を高めている。

ムーブメントは「キャリバー 3X22」。風防はスーパークリアコーティングのサファイアガラスで、20気圧防水。価格はSBXD007が231,000円、SBXD009が253,000円。

機械駆動の味わいや針、ダイヤル、ケースの仕上げの美しさ、所有する喜び――。そんなメカニカルウオッチならではのエッセンスを求めやすい価格で味わえる「セイコー 5スポーツ」が、尾田栄一郎氏のマンガ作品『ONE PIECE』とコラボレーション。作品に登場するキャラクターをテーマにした全5モデルをラインナップする限定モデルだ。

チョイスされたキャラクターは、ルフィ(SBSA151)、ゾロ(SBSA153)、サンジ(SBSA155)、ロー(SBSA149)、サボ(SBSA157)。チョッパーやナミなど定番の人気キャラをカットした思い切ったラインナップは、作品のファンであれば大いに語りたくなるポイントだろう。

セイコーウオッチに聞くところによると、各モデルは担当デザイナーの相当な思い入れのもとにデザインされているという。例えばルフィモデルのダイヤルとバンドに描かれた煙は、「ギアセカンド」発動時の水蒸気がモチーフ。同様に、サボモデルの回転ベゼルで「2」にあたる部分だけ「No.2」と刻まれているのは、革命軍ナンバー2の実力者だからだ。このようにキャラクターの顔や名前、シルエットなどを直接オモテに出さずとも成立する一方、好きな人には思わずニヤリとしてしまうウオッチデザインがなされている。

全モデルの共通仕様として、ケース素材はステンレススチール、ケース外径は42.5mm。バンドはシリコンストラップ。風防はハードレックス(強化ガラス)で10気圧防水。ムーブメントは自動巻き(手巻き付き)「キャリバー 4R36」で、パワーリザーブは約41時間。

価格は各51,700円。各モデルとも世界限定5,000本となり、うち国内は各500本限定。別記事『セイコー×ONE PIECE、ルフィ・ゾロ・サンジ・ロー・サボのコラボウオッチ』もご覧いただきたい。