ジンの時計が人気の理由。独自技術によるプロ仕様と人気モデルを解説

huaweiwearabless 05/04/2023 805

ドイツの「ジン」は、そのタフネスと独自の特殊性能などで、多くの男性を魅了する時計ブランドだ。既成概念を超えた機械式時計を世に送り出すジンの魅力と、おすすめのモデルについて詳述しよう。

ジンはドイツが誇る特殊時計

生涯愛用でき、人生をともに歩める時計を作り出すには、求められる機能を徹底的に追求する姿勢と、それを高度に形づくる優れた技術が必要だ。

機能性を最重要視するジンは、品質に対する期待を裏切らない時計ブランドである。

しばしば質実剛健と評され、ハードワークに従事するプロフェッショナルからの信頼も厚いジンの背景を掘り下げてみよう。

ジン・クロノグラフの原点とも言える「156.B」。

ジンは、1961年にドイツで創設された。創業者であるヘルムート・ジンは、太平洋戦争時にはドイツ空軍のパイロットであった人物だ。

その経験から、パイロットにとって最も必要な時計とは、正確無比な計測機器であることを深く理解していた。その重要性を具現化すべく、ジンは航空用時計の製作に乗り出す。

1994年以降のオーナー、ローター・シュミット氏。現在、ジン・テクノロジーと呼ばれる独自技術の数々を生み出したのが、他ならないシュミット氏だ。

そして、プロフェッショナル仕様を念頭に、航空機器さながらの時計の開発に、果敢に挑んでいく。初期に完成させた「156.B」は、過酷な飛行環境にも耐え得る高い精度を有し、ドイツ空軍でも採用された。

ドイツは、機械産業において高い技術力を誇る国として知られている。ジンもその卓越した開発力には定評があり、ドイツの税関局特殊部隊や警察特殊部隊、レスキュー部隊などで活躍してきたのだ。

ジンの時計が人気の理由。独自技術によるプロ仕様と人気モデルを解説

ジンの最大の特徴は、機能性を追求し尽くすことでたどり着く、卓越したシンプルさにある。外観は無機質な印象を与えるが、そこから感じ取れるのは究極のリアリズムだ。

流行に流されず、機能性を最優先したジンの時計は、他メーカーの時計とは一線を画す。

プロフェッショナルのための時計という着眼点を実直に守り続け、武骨なまでに機能性を追い求めるその姿にロマンを見出す時計ファンや、確固たる信念に絶大な信頼を寄せるユ―ザーに支持されているのだ。

ジンの人気を支える特殊技術

積極的に独自技術の開発に取り組み、プロユースの時計の中でも抜きん出た精度を誇るジンは、一般ユーザーはもちろん、熱心な時計愛好家からも高く評価されている。その人気を支える特殊技術について解説しよう。

左が特殊オイルを封入した個体で、右が封入していないモデル。特殊オイルは内部圧を高めるだけでなく、ガラスとほぼ同等の屈折率を持つため、水中での視認性も保つのだ。

ダイバーズウォッチには、耐圧性能が求められる。多くの場合、ケースを分厚くすることで対応するが、ジンは特殊なオイルをケースに注入するという方法を取る。

パスカルの原理を応用したハイドロ・システムにより、かかった外気圧と同じだけの内部圧で押し返す。そのため、ケースを分厚くすることなく5000m防水を実現させた。

また「テギメント」によって、セラミックスと同等以上の硬度を有する耐傷性も手に入れた。これは、時計のケースに窒素を用いた浸炭加工を施すことで、硬化させる技術だ。

加えて、現在ではブラックPVDコーティングには必ずテギメントを併用する(ブラック・ハード・コーティング)。硬化した表面にコーティングを施すことで、着色層の剥離や摩耗の低減につながっている。

特殊乾燥剤が充墳されたドライカプセルが、時計ケース内の湿気を取り除く。

多数の部品で構成されたムーブメントには、それぞれのパーツを円滑に動作させるための潤滑オイルが不可欠だ。その反面、湿気や水蒸気によりオイルが劣化することで不具合の原因にもなりかねない。

そのため、ジンでは湿気に対し、ドライカプセルの搭載、EDRパッキンの使用、プロテクトガスの充墳という3つの技術的要素で構成された「Arドライテクノロジー」により、万全な対策を施している。

ジンの特殊オイルは、ケースにびっしりと霜が付く-45℃でもDIN(ドイツ工業規格)の定めた刻時精度を維持する。

また、使用する潤滑オイルも特別なものだ。一般的なオイルは、気温が-25℃ほどになると粘性が高まり、時計の精度を維持することが難しくなる。

だが、ジンが開発した特殊オイル「66-228」は、実に-66℃まで粘性を保ち、さらに+228℃まで蒸発しないため、極寒から灼熱の地に至るあらゆる場所で正確に時を刻み続ける。