先に示した通り、それぞれ24mm/35mm/65mmのそれぞれの重量は230g/325g/405gであり、合計でも960gである。3本持ち歩いたとしても1kg程度しかないのである。この感覚は筆者が愛用してきたマイクロフォーサーズのレンズ群を持ち歩く感覚に近いものがあり機動力高く撮影することができる。リグを組まない状態のミラーレスカメラ、そしてこの3本のレンズを気軽に小さなカメラバックに入れて一日中撮り歩く、ということができるのがありがたい。
この3本のレンズのフィルタ径は異なっている。24mmF3.5/35mmF2/65mmF2のフィルタ径はそれぞれ55mm/58mm/62mmとなっている(なお、同じIシリーズの45mmF2.8 DG DNは24mmと同じ55mm)。当然焦点距離もF値も異なるためサイズが異なってしまうことは致し方ないと思うのだが、3本を同時に持ち歩くことを考えると、これらレンズのフィルタ径が同じだったら利便性が高いのに、と感じなくもない。
それぞれ異なるフィルタを用意するのも手ではあるが筆者の場合は使い慣れている77mmのフィルタに揃えるため全てのレンズ径に併せてステップアップリングを用意した。
これにマンフロットから発売されているXumeを使い簡単にフィルタを脱着できるようにして運用した。NDフィルタの径とレンズのフィルタにはかなりの差が出てしまい不恰好ではあるのだが、便利さには変えられない。
今回のIシリーズではマグネット式メタルキャップを付属している。このキャップはレンズ全面にピタッと磁力で収まる様になっている。
キャップ裏面には起毛加工が施されており、キャップ装着時にレンズ本体側に傷が付かないよう対策されている様だ。
また、専用のレンズキャップホルダ(CH-11)を使えばベルトやリュックなど自分の気に入った場所にキャップを装着することができる。
工業製品として美しく、そしてすごく面白いギミックではあるのだが、動画撮影の場合は日中撮影ではNDフィルタを使うことがほぼ必須である。スチルの際には便利と思われるが、日中の動画撮影ではこの恩恵を受けることはなかった。
一方、夜間の撮影やスチル撮影ではほぼフィルタが不要なので、このレンズキャップとホルダの組み合わせを運用した時の感想を述べたいと思う。
少々辛口になってしまうが、このキャップはメタルフードをした状態での取り外しは難しく利便性という意味では改善を望む点が多い。表面に取手部があればフードを取り付けた状態でのキャップ取り外しが可能と思われるが、何らかの理由があってのことかそういった形状にはなっていない。
このスタイルは非常に魅力的なので利便性の向上を今後期待したい。